ぐりぐり君
考案者の渋々の承諾で、公開出来ることになった、一級機密情報です。 かの有名なM商事さんのスプリングプランジャには良くお世話になっておりますが、これを専用のレンチでねじ込むのが結構硬くて大変なのです。 大きなプログレ型などで本数が20本以上もあったりすると、指にタコが出来ちゃいます。 そこで、こんな道具を作ってみました。何のことはないただのハンドルの先っぽに市販のレンチを付けただけ。でも、これ使うとスプリングプランジャ回すのが楽しくなるんです。 ぐりぐり 「ほらもう出来た」 グリグリグリグリ 「いゃあ回しすぎて裏まで抜けちゃいました」 「あのねぇ・・・」 「これって特許とれないの?」 知り合いの弁理士さんに早速問い合わせ 「どうっすか」 「どうもこうもないですよ無理無理」 「はっきり言いますね、そうっすか」 まぁ期待もしてなかったですがちょと残念です。 どなたか「ぐりぐり君」を大量生産して安く売っていただけないでしょうか。 作るの結構大変なんですよねぇ。
陽の当たらない物干し
「誰だ設計室にこんなもんぶら下げたのは」 「はーい、僕たちでーす」 実は参考資料を広げる場所がないほど狭かった古い設計室で知恵を絞ってやっていた事が、広いスペースに引っ越しても便利でやめられないのだそうです。 なにせCADの画面では物の大きさがぴんとこないので、設計途中の図を原寸で出力して強度やバランスの検討をする必要があります。 類似の図面や関連する前後の工程の参考図も見たくなります。 いくらCADで見られるとしても、ウインドウの切り替えも面倒です。 この方法では席を立つことなく同時に見ることが出来ますので、非常に効率がいいんですね。 ホームセンターで仕入れた、カーテンレールと滑車とひもと洗濯ばさみで作りました。 ひもの調整で高さも自由自在です。 設計室はコンピュータがたくさんあるので、光が画面に入らない様に遮光カーテンも降ろしっぱなし。 まさに陽の当たらない物干しなのであります。
SYARAKU
金型の刃物に付けるシャー(衝撃緩和の為の傾斜)を加工する為の段取り治具です。 最近はお客様の騒音対策問題からも需要が増えています。 小さな刃物ならサインチャック付きの成形研削盤で簡単に加工出来るのですが、大きな刃物は加工出来ませんし、出来たとしても研削加工では時間が掛かります。 刃物はダイス鋼で焼き入するとロックウェルCスケールで58から60度と非常に硬くなる為、焼き入れ処理前に傾斜を加工すれば良いのですが、ワイヤー放電で行う刃の輪郭加工に逆に時間が掛かったり、オスメスの同時取りには適用出来ないなどの問題がありました。 この治具は、焼き入れ後に超硬のエンドミルで簡単に傾斜加工が出来る様したものです。 詳しい用法は企業秘密ですが、この治具により、成形研削盤での角度研磨と比較して53%の時間短縮効果を出しています。
フックポンチャー
「・・・・・、何これ?」 「孔開け治具っす」 「・・・・、何の?」 「吊りフックの」 「へぇ〜」 市販の吊りフック専用の取り付けネジ加工治具です。金型のプレートには沢山の孔を加工するので、すべてマシニングセンタで加工するのですが、その時の段取りやワークの移動にも事前に吊りフックを付けておけば仕事がスムーズに行えますし、安全に作業が出来ます。 汎用ボール盤で孔を開けるには所定の位置にケガキを施してセンターポンチを打刻しますが、専用治具があれば、この作業を省けます。 「どおやって使うの?」 「ほら、こうやって・・・・」 コン・コン♪ゴリゴリゴリ♪ 「ねっ、簡単でしょっ」 「いいねこれ」 写真の吊りフック用とは別に、吊りボルト用の治具も作りました。 詳しい用法はこれも企業秘密ですが、「面倒なことはやらない」 これ、改善の鉄則です。